サラリーマンをされている方なら、毎月給料から「社会保険料」が、
あらかじめ会社から天引きされていることは誰でも知っていることと思います。
(稀に、知らない方もいるそうですが)
毎月の給与明細を見れば、何がどれだけ天引きされているかよく分かります。
健康保険料、厚生年金保険料、所得税など様々です。
そして今回は、その中の1つである「雇用保険料」についてお話しします。
雇用保険ってなんだ?
その前に、雇用保険について少し説明します。
雇用保険は、日本の公的保険の1つであり、労災保険と共に労働保険の中の1つです。
サラリーマンの方は、ほぼ全員が雇用保険に加入しています。
そしてフリーターや派遣など非正規の方も、場合によっては加入することがあります。
雇用保険に加入するか否かは、
・1週間の労働時間が20時間以上あるか
・学生ではないか
・労働の対価として給料を事業主から貰っているかどうか
・会社の代表者かどうか
などで決まります。
そして雇用保険に加入している方は、毎月「雇用保険料」を国に納めます。
雇用保険料は計算可能!
みなさんは、雇用保険料について意識したことはありますか?
雇用保険料は、給与から天引きされる「社会保険料」の1つです。
徴収された雇用保険料は、失業給付の主要な財源の1つとなっています。
雇用保険は、自分が何らかの理由で仕事を辞めたり失ったりしたときに、一定額のお金が国から支給されて再就職と生活を後押しするための保険なのです。
そんな雇用保険料ですが、法令で定められているものであるため、
ちゃんとした計算方法で算出されています。
しかも天引きされる雇用保険料は、個人個人で大きく異なってきます。
みなさんは、正しいかどうか調べる方法があるの、知っていますか?
給与計算に従事している方や経理部で経理を担当している方なら知っているとは思いますが、それ以外で知っている人はあまり多くないのではないかと思います。
私自身、社労士事務所に就職するまで、どうやって計算されて決定しているのか、全く知りませんでした。
雇用保険料は、次の式によって算出され、決定されます!
給与の全額 × 雇用保険料率 = その人の雇用保険料
給与の全額とは、基本給や各種手当て、残業代などを含めた「総支給額」のことです。
いわゆる天引き前のその月の給与の総額です。
給与明細を見ますと、必ず天引き前の総額が記入されています。
雇用保険料率は、実は業種によって異なりますし、
さらに法令の改正でも大きく変わることがあります。
事実、平成28年度の雇用保険料は、法令の改正により、引き下げられました。
雇用保険料の負担割合
そして実は、雇用保険料は「事業主負担分」と「労働者負担分」の2つがあります。
雇用保険料は、実は事業主も負担しているのです。
平成29年度の雇用保険料率は、次の通りです。
労働者負担分
一般の事業 3/1000
農林水産・清酒製造業 4/1000
建設の事業 4/1000
事業主負担分
一般の事業 6/1000
農林水産・清酒製造業 7/1000
建設の事業 8/1000
労働者負担分の雇用保険料は、失業給付として使われます。
事業主負担分の雇用保険料は、半分が失業給付として使われ、
残りの半分は雇用保険二事業に使われています。
雇用保険二事業とは、
失業の予防や雇用機会の拡大、労働者の能力開発などを行い、失業給付の給付を減らすことを目的とするものです。
高齢者や子育て女性の就業支援、失業防止策などに取り組む事業主への助成金、職業訓練の経費負担などを行っています。
事例
給料の総支給額が25万円の営業職の方
250,000 × 0.003%(一般料率) = 750円
給料の総支給額が20万円の事務職の方
200,000 × 0.003%(一般料率) = 600円
給料の総支給額が30万円の建設業勤務の方
300,000 × 0.004%(建設業料率) = 1200円
特別な事のように感じられますが、ちゃんと厚労省からの通達や案内で、
一般の人でも知れるようになっています。
ネットでも公開されていますので、すぐにでも調べることができますよ!
まとめ
・雇用保険料は計算で割り出せる。
・雇用保険料の料率は、事業内容で大きく3つに分けられる。
・給料の総支給額に料率を掛ければ、労働者負担分が分かる。
・雇用保険料の主な使い道は、失業給付。
一定の条件に当てはまる労働者は強制加入となる社会保険の1つ、雇用保険。
離職して次の仕事を探すときには、強い味方となってくれます。
使える公的扶助をフル活用することは、当たり前のことです。
いざという時は、積極的に活用していきましょう!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!