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永平寺で禅に思いをはせる~2日目~

(この写真は、ルトくんが実際に永平寺を訪れた際に撮影したものです)

永平寺というお寺をご存知でしょうか?

福井県吉田郡永平寺町にある、名高い曹洞宗の大本山として知られる古刹です。
私はそこに一度、座禅をしに行ったことがあります。
今回はその時のことを、お話ししたいと思います。

前回の記事を読んでいない方は、まず前回の記事を先に読んでください。
今回の記事の内容が、スムーズに理解できます。
前回の記事はこちら→永平寺で禅に思いをはせる~1日目~

2日目の朝は、午前3時10分に起床となっています。
本来は係の雲水さんが小さな鐘を鳴らしながら寺の中を駆け回り、全員を起こすのですが、私の場合はいきなり電気を点けられ、起こされました。
雲水さんはいったいいつ寝ているのかと、不思議に思ったりしました。

起床したら、すぐに顔を洗って歯を磨きます。
ここでも、決められた作法を守って洗顔し、歯磨きをしなければなりません。
そしてモタモタしていると、後がつかえます。
とにかく大急ぎで洗顔と歯磨きを終わらせました。

洗顔と歯磨きが終わりますと、全員で布団を片付けます。
こんなに夜遅くにドタバタしてしまいますと、普通なら怒られます。
しかし、ここではその心配はありません。

みんなすでに起きているからです。(笑

ルトくん
ルトくん
寝ている人がいたら?
もちろんたたき起こされます

布団を片付けますと、暁天坐禅が始まります。
朝の坐禅です。
再び座蒲を持って来て、座禅を40分の間、組みます。
寝起きで坐禅を組みますので、とにかく眠くなります。
私は一度、見張りの雲水さんから体勢を直されました。
警策で叩かれなくて、本当に良かったと思います。(笑

暁天坐禅の後は、法堂(はっとう)という七堂伽藍の中の一つに集合します。
永平寺は、この七堂伽藍の全てが回廊で繋がっていますので回廊を全員で歩いて法堂に向かいます。
歩いている時は、手は叉手にしなければなりません。
法堂に入る前に廊下から空を見ましたが、月が煌々と輝いていてまだ夜中でした。

法堂の中には、すでに大勢の雲水さんがいました。
そして私達以外にも、参禅に見えていた方が正座して待っていました。
私も指定された場所に正座しました。

ルトくん
ルトくん
参禅に来ていた一般の方。
あなたがたはどこで眠っていたのですか!?

それから、朝課(ちょうか)が始まりました。
雲水さんが全員でお経を詠みます。
私はお経は詠みませんでしたが、じっと合掌をしてお経に耳を傾けていました。
しばらくしてから、焼香の順番が回ってきましたので、焼香をしました。
焼香はお葬式のときにやる方法と同じです。

朝課が終わりますと、一人の雲水さんが永平寺の中を案内してくれました。
これは大変楽しみにしていたことの一つでした。
なぜなら、普通に観光で拝観に来た人には非公開となっている場所まで見学させてもらえると聞いていたためです。
他の人には簡単に見られないものも見れる。
そのことが私に優越感を与えてくれました。

通ってきたところや七堂伽藍を中心に様々なものを見せていただきました。
特に傘松閣という場所には、天井一面に昭和初期の著名な画家144名による230枚の花や鳥の絵が、まるでパズルのようにはめ込まれていました。
絵の中にはリスや貴重な鳥もいまして、それらはある特定の絵にしか描かれていません。
そのため、大変見つけにくいとされています。
それらを全て見つけますと、願い事が叶うと言われているそうです。

最後に山門を見ました。
山門は寛延2年(1749年)に再建されたもので、永平寺の中で最も古い建物です。
また山門は、雲水さんにとって特別な場所です。
なぜなら、山門をくぐることができるのは2回だけなのです。
そのうち1回は、永平寺に入山するときで、あとの1回は修行を終えて永平寺を下山するときです。
なので2回だけなのです。

一般の参拝者も、山門から出入りすることはできません。
別で用意された出入口から出入りすることになっています。

「山門を自由に出入りできる人なんているの?」
と思われるのが自然だと思います。

ただ一人だけ、自由に出入りできる人がいます。
それは永平寺の住職さんだけなのだそうです。

(by 引率してくれた雲水さん)

他にも山門の2階中央には「日本曹洞宗第一道場」と書かれた額が掲げられています。
なんと、後円融天皇の勅額です!

正面には2本の柱が立っていまして、そこにはこう書かれています。
「ここは出家修行の道場であり家風はすこぶる厳格である。求道心の在る者のみ、この門をくぐるがよい」(意訳)
毎年、入門を志す雲水さんが、この門の前に立ち、そこで入門を申し出ます。
そのときに禅問答のようなものがあるのですが、それに耐えられた人だけが、この門をくぐることが許されるのだそうです。

そして山門の前で、質問コーナーが開かれました。
引率してくれた雲水さんが、色々な質問に答えてくれました。
中には「ぶっちゃけ性欲溜まりませんか?」というちょっと失礼な質問もありました。
雲水さんは「あぁ、よくある質問ですね」と笑いながら答えてくれました。
修行が忙しすぎて、そういう気に全くならないのだそうです。
(by 引率してくれた雲水さん)

戻ってきたら、小食(朝食)の時間になりました。
朝の7時です。
普段なら起きる時間ですが、そのときの私は「あぁ、もう起きる時間なんだ」とは全く思わず、
「えっ、まだ朝の7時なの!? 時間がものすごくゆっくりに感じる!」
と驚いていました。
夜の3時頃に目を覚ましていますので、この時点で4時間が経過していました。

昨夜の薬石のときと同じ場所に座り、同じように五観の偈(前記事前記事を参照)を唱えてから食事を始め、食事が終わりましたらお茶で箸の先端を洗い、箸袋に戻して今度は食後の偈(こちらも前記事前記事を参照)を唱えて食事を終えました。

食事を終えましたら、一緒に食事をした和尚さんからお話がありました。
「いや~今回の皆さんは、みんな大人しくて真面目ですねぇ。
昔はどうしても言うことが聞けなくて、雲水につまみ出される人もいましたが、
今回はそういう人が一人もいなかった。
皆さん、本当に真面目でいい子ばかりですね」
そうニコニコしながらお話しされていました。
そんな人がいたことに驚きましたが、そもそもどうして参加したのか理解できませんでした。
きっと、観光気分で行ったのかもしれません。

ルトくん
ルトくん
観光気分で行くと、どえりゃあ目に合うから観光気分で行くもんじゃないよ!

その後、同じ和尚さんが
「今の時代ほど、若者に無慈悲な時代はありません」
と強い気持ちで仰っておりました。
行き先不透明で景気も良いとは言えず、少子高齢化で負担がどんどん大きくなる現状を嘆いておられたのだと思います。
誰もそのことを気にかけてくれないと思っていたので、気にかけてくれる人がちゃんといるんだと私は少し嬉しくなりました。

小食を終えて戻りましたら、一夜参禅で最後の坐禅の時間が来ました。
ここでやる坐禅も最後と思いますと、嬉しいような寂しいような複雑な気持ちになりました。
坐蒲を置き、半跏趺坐を組んで、鐘の合図で私は最後の坐禅をしました。
あちこちから警策の音が聞こえる中、私はとうとう1度も警策で肩を叩かれることなく、坐禅を終えました。

ルトくん
ルトくん
命拾いした思いがしました

坐蒲を片付けますと、閉講式が行われました。
バスの出発の時間と途中の休憩場所と休憩時間、解散場所が告げられてから、記念撮影が始まりました。
私も参加し、後で写真を受け取る手続きもしました。
そして荷物をまとめ、いよいよ永平寺から下山する時が来ました。

来た道を戻るように進んでいきますと、雲水さんやお勤めの僧侶の方が見送りに来ていまして、通るたびに合掌して会釈してくれました。

「どうぞまたお越しください」と言われているようで、私はすっかり感動してしまいました。
このまま通り過ぎるのはダメだと思い、私も歩きながら返すように合掌して会釈することで応えました。

このとき、私は思いました。
「またもう一度、永平寺に訪れたい」と。

その後、下山しましたら、門前町で家族と親戚とバイト先へのお土産を買いました。
門前町では様々なものがお土産として販売されていますが、
なるべく日持ちがするものを選びました。

そしてバスに乗り込み、途中でトイレ休憩を挟んだり、
昼の弁当が配布されてそれを食べたりして、
無事に帰ってきました。

いやぁ、初めて坐禅をしましたが、やっぱり坐禅修行というものは厳しいです。
しかし、永平寺は素晴らしい場所でした。
現在は福井を代表する観光名所にもなっていますが、やはり永平寺は禅の修行道場だと思いました。
ちなみに私が今回行った一夜参禅ですが、私は大学を通して参加しました。
ですが一般の方も参加することができます。
一泊二日のコースもありますが、三泊四日でほぼ雲水さんに準じた修行生活を送るコースもあります。
自分に自信がある方、事故を見つめ直したい方などは、参加してみてはいかがでしょうか?

但し、観光気分で行くとあまりの辛さに逃げ出したくなるはずなので、よく考えてから決めて下さい。

参考文献
「曹洞宗大本山 永平寺」(発行:大本山永平寺 印刷:ヨシダ印刷株式会社)

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