国民年金といいますと、自営業者やフリーランスの方だけでなく、一定の条件に満たないフリーターや二十歳以上の学生の方も納付義務が発生してきます。
国民年金法では「二十歳以上六十歳未満の日本国内に住所を有する者」に納付義務が発生すると規定されています。
納付するのが面倒くさいと思って支払わないでいると、年金が受給できなくなります。
年金については記録改ざん、将来受給できないかもしれない、受給できてもその額は減らされてしまうなど、数々の問題はありますし、それは否定しません。
しかし、それを差し置いても国民年金は支払っておくべきものであると、私は考えております。
今回はそんな、国民年金の納付についてお話しします。
なお最初に申しあげますが、厚生年金保険に加入しているサラリーマンや公務員、私学職員などの方はあらかじめ給与から天引きされていますので、納付する必要はありません。
当たり前のことですが、念のため。
国民年金は、年金制度でいう一階建て部分に当たる「基礎年金」というものになります。
基礎年金としての国民年金を土台として、その上に厚生年金保険や国民年金基金、確定拠出年金などを使うことで、二階建てや三階建て部分を作ることができ、将来的に受給できる年金を増やすことができます。
ちなみに国民年金基金は自営業者や農林水産業従事者が対象となっています。
さらに確定拠出年金は会社員も自営業者も加入できます!
国民年金の納付方法ですが、大きく分けて「口座振替」と「直接納付」の二種類があります。
口座振替とは、納付者が指定した金融機関の銀行口座から毎月決められた日に直接納付額が引き落とされるものです。
納付し忘れる心配がなく、窓口に行く手間も無く、さらに確実に徴収できるという利点があるため、日本年金機構はこの方法を推奨しています。
ただし、手数料が徴収されてしまいます。
もう一つは、直接納付です。
こちらは毎年日本年金機構から送られてくる紙の納付書を使って現金やクレジットカード、電子マネーで納める方法です。
こちらは納付書を窓口に持って行って納めるという手間がかかりますが、次のような利点もあります。
・自ら現金で納付するため「年金を納めている」という意識を強く持てる。
・金融機関だけでなく、コンビニでも納付ができる。
・一年、半年、月ごとなど、納付額と期間を自分で選べる。
・納付証書は確定申告で添付することで納付したことの証明になる。
・手数料が掛からない。
年金制度は少子高齢化社会によって将来的に先細りで、現在納付している若い世代は支給開始年齢が上がる、支給額が大きく減額される又は受給できないなど、数々の問題点が指摘されています。
なので中には「年金は払うだけムダ。だったら貯金しておいたほうがいい」「年金を受給できる年齢まで生きているはずがないから払わない」という方もいます。
確かに少子高齢化で、年金制度はこのままでは制度として立ち行かなくなる可能性は十分にあります。
しかし、国民年金は最低でもきちんと納めておくべきだと私は思います。
私が年金を納めるべきだと思う理由は、次の通りです。
聞く人によっては、耳の痛い話だと思いますが、ちゃんと最後まで読んで下さい。
少子高齢化社会がこの先もずっと続くという保証は無い。
現在の日本社会は少子高齢化を突き進んでいます。恐らく、当分はこのまま続くと思われます。
しかし、この先もずっと続くという保証はありません。
どこかで歯止めが掛かり、人口が増えていくかもしれません。
そうなれば、年金制度は維持されていくでしょう。
「そんなことあるはずない!」と思われるかもしれませんが、冷静になって下さい。
「諸行無常」と言う仏教の言葉があります。
常に流動変化していくものだという意味です。
今の世の中も、常に変化し続けています。周りを見渡せば、すぐに分かることです。
古の時代に生きたブッダもこう伝えているのですから、少子高齢化に歯止めが掛かって年金制度が維持されていくこともあるかもしれません。
それでもそう思わない方は、少子高齢化が止まると困ることでもあるのでしょうか?
年金制度が崩壊しないと困るのでしょうか?
もしそうお考えの方がいらっしゃいましたら、是非お考えをお聞かせください。
働けなくなっても、一定額がちゃんと支払われる。
高齢になると、手足が思うように動かなくなり、どうしても生活が不便です。
そんな中、働ける人もいるかもしれませんが、いつかはそれもできなくなります。
働けなくなったとしても、一定額のお金が国から貰える。
お金が稼げなくても、ちゃんと生活できるだけのお金がもらえる。
これはありがたいことです。
そのために決められた額のお金を国に納めておく。
たったそれだけでいいのですから、支払っておいた方が得です。
国が運営する公的保険だから。
年金は公的年金という公的な保険です。
そして、公的保険を運営しているのは、国です。
実際の業務は日本年金機構が行っていますが、それも独立行政法人なので、事実上国の機関が行っています。
国が運営していることの利点は、国が信頼を失わない限り、制度が保たれるということです。
それに国が信頼を失うということは、政府が信頼を失うのとは違います。
政府は時の権力ですが、国は日本そのものです。
日本が信頼を失うということは、国家が破堤状態になることを意味します。
日本円がジンバブエドルのようになってしまいます。
そんな状況は戦争になって焦土にならない限りまずあり得ないので、安心していいと思います。
納めないと「かもしれない」が現実になる。
心理学の話で、銀行の倒産の話を聞いたことがある人は多いと思います。
簡単に説明しますと、一人が流した根も葉もないうわさ話が、巡り巡って人々に不安を抱かせて行動を起こさせ、結果的に健全な運営をしていた銀行を倒産に追いやってしまうという話です。
まさに嘘から出た誠です。
リーマンショックの際も、同じことが起きていました。
年金制度でも、これと同じことが起きるかもしれません。
もし長生きしたら、どうするの?
もしも長生きしてしまった場合、大変なことになります。
年金を過去に納めていなかったことで、年金が貰えないことになってしまいます。
そうなってしまったら、年寄りなのに働かないといけないことになります。
しかしボランティアなどは別として、年金を貰える年齢の人を雇ってくれる所はほとんどありません。
警備員、スーパーのカート押し、清掃員になれたら御の字です。
しかも正社員は無く、アルバイトしかありません。
そうなってしまうと、生活するのが大変難しくなります。
最後に、私から年金について皆さんにお伝えしたいことを記します。
人に頼らず、自分の頭でちゃんと真剣に考えろ!
以上です。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!