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最も好きだった手続き

それは
健康保険で被保険者に被扶養者が産まれたときの健康保険被扶養者資格取得届の提出
です。
何を言っているのか全くわからないと思います。

分かりやすく言いますと
健康保険証(被保険者)を持っている人に子供が産まれたとき、
その子供にも健康保険証(被扶養者)を与えるためにする手続き
」です。
これで多くの方は分かっていただけると思います。
これでも分からなかった方、全国健康保険協会(協会けんぽ)のサイトをご覧ください。

私は社労士事務所に居たとき、ありがたいことにこの手続きを3件、やらせていただいたことがあります。
今回はそのときのことをお話ししたいと思います。

最初の手続きは、確か8月頃でした。
私が顧問先の中小企業からかかってきた、一本の電話を受けたことから始まりました。

ルト「はい、〇〇社労士事務所のルトです」
田中(仮名)「××金属工業の田中(仮名)です。お世話になっております」
ルト「こちらこそ、お世話になっております」
田中「実はですね、この度私に子供が産まれまして」
ルト「お子様がお生まれになられたのですか? それはおめでとうございます!」
田中「ありがとうございます!」
田中「それでですね、健康保険の扶養者追加の手続きをお願いしたいのですが」
ルト「かしこまりました。では、お子様のお名前と読み仮名と生年月日をお願いします」
田中「はい、えーと……」
(この間、名前の漢字と読み仮名、生年月日を伺ってメモする)
田中「……以上です」
ルト「確認させていただきます。……でお間違い無かったでしょうか?」
田中「はい、間違いありません」
ルト「かしこまりました。それでは早速、お手続きにとりかからせていただきます。保険証はだいたい2週間~1ヶ月ほどでお手元に届くはずですので、よろしくお願いいたします」
田中「よろしくお願いいたします。それでは、失礼します」
ルト「はい。失礼いたします」
ここで一旦、電話を切りました。
しかし手続きを行おうとして、性別を聞き忘れていたことに気づき、慌てて性別確認のお電話をしました。
そして性別をはっきりさせてから、すぐに電子申請で手続きを開始しました。
この後、無事に健康保険証が届いたと知り、深く安堵しました。

そして残りの2つは、私が社労士事務所を去る日に突然やってきました。
顧問先の一社から電話が掛かってきまして、私がそれを受けたことから始まりました。

ルト「はい、〇〇社労士事務所のルトです」
高橋「あ、××の高橋です。お世話になっております」
ルト「はい、お世話になっております」
高橋「すいません、1つご確認したいことがありまして」
ルト「はい、どのようなことでございましょうか?」
高橋「先日、被扶養者異動届を先生に依頼したと思ったのですが、ひょっとしたらしていなかったかもしれませんので、一度確認してもらえませんか?」
ルト「かしこまりました。少々お待ちください」
私はここで一度電話を保留にし、その顧問先の電子申請ファイルと紙のファイルを調べ上げました。さらに電子申請の手続きチェック表というものも調べましたが、どこにも手続きをしたという記録はありませんでした。
ルト「大変お待たせいたしました。こちらには、そのような記録はございませんでした」
高橋「そうでしたか。では、こちらからFAXで情報を送りますので、手続きをお願いしてもよろしいでしょうか?」
ルト「かしこまりました。では、FAXが届きまして確認いたしましたら、すぐ手続きに取り掛からせていただきます」
高橋「ありがとうございます。それではFAXを流しますので、よろしくお願いいたします」
ルト「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
高橋「では、失礼いたします」
ルト「はい、失礼いたします」
ここで電話が切れ、しばらくしてからFAXが流れてきました。そして再度電話を掛け、FAXの内容と手続きする内容、人数、年齢、性別、生年月日などを確認している中で、
これは新生児に健康保険証を交付するための手続きだと知りました。

そうだと分かると、やる気がモリモリ湧いてきました。
「この会社の社長さんにも、手続きや助成金の件で大変お世話になったし、
最後のご奉公といくか!」

そんな気持ちになった私は、すぐにこの2件の手続きに取り掛かりました。
電子申請でちゃんとデータが送信されたことを確認し、手続きチェック表に記入を終えた私は、達成感を抱きながら手続きチェック表を閉じました。
そしてその日の夕方、私は社労士事務所を去りました。

この先、この手続きを再び手がけることは二度とないと思っています。
社労士事務所を開業して顧問先を持って手続きを委託してもらうか、
会社の総務部などに配属されて担当者になるか、
自分が社長になって人を雇って自分で手続きをするようになるか、
以上のことにならない限り、そんなことはできないからです。

社労士事務所の事務員に戻るという選択肢もありますが、もう社労士事務所の事務員に戻る気はありませんので除外します。

しかし、とてもいい経験になりました。
世の中が、いかに多くの人の手で回されているのか。
それを感じられた出来事でもありました。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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