乙四(おつよん)という言葉を、耳にしたことがある方は多いと思います。
正確には「乙種第四類危険物取扱者」などといいます。
こちらは総務省消防局が所轄している国家資格です。
今回は、この乙四についてお話ししたいと思います。
乙種第四類危険物取扱者って何?
どんな資格かといいますと「消防法で乙種第四類に規定された引火性液体の取扱とその立会いができる資格」になります。
何を言っているのかさっぱり分からないと思います。
わかりやすくいいますと、ガソリンや灯油といった火が着きやすい液体状のものを安全に取り扱ったり、取り扱うときに立ち会って安全に作業するための知識や技能を持っていることを証明します、というものです。
この資格が使われている最も身近な場所は、ガソリンスタンドです。
甲種、又は乙種第四類の危険物取扱者が営業時間内にいないと、消防法令違反で罰せられることになっています。
実際、過去に営業停止命令が下されたこともあります。
深夜のガソリンスタンドは一見無人に見えますが、実は事務所の中でこの乙四を所有している有資格者の方がモニターを通して見張っています。
タンクローリーの運転手も、この資格を所有していないと単独運転ができません。
他に塗料販売店、工場、消防士などにも重要になってくるでしょう。
実は私も、この資格を所有しています。
なので、ガソリンや灯油を(一応)扱うことができます。
どうして取得しようと思ったの?
私がこの資格を取得しようとしたきっかけは、自動車免許を取得したことでした。
多くの方と同じく、私も学生の頃に自動車教習所に通い、実技と学科を学んで自動車運転免許を取得しました。
そして運転免許を取得してからしばらくして、あることに気がつきました。
それは、燃料のことを何も学んでいなかった、ということです。
電気自動車やハイブリッド自動車がだいぶ普及してきたとはいえ、まだまだ自動車の燃料として広く用いられているのは、ガソリンと軽油です。
その証拠に、ガソリンスタンドはあちこちにあります。
灯油はホームセンターなどでも販売されています。
灯油ストーブも、冬には定番という家庭もたくさんあります。
自動車教習所で学ばなかったからといって、ガソリンや軽油のことを何も知らないままでいいのか?
セルフ式で給油することもあるのに、知らなくて大丈夫なのか?
灯油ストーブだって、まだまだ現役だ。灯油についても知らなくていいのか?
せめて、火がついた時に慌てず消火できるように、消火方法くらいは知っておいた方がいいんじゃないか?
このような思いに終止符を打つべく、自らの知識を高め、それの証明として乙四を取得するという考えに至りました。
というのは実は表向きの理由で、本当は「社会的な需要が高いから持っておけば食いっぱぐれることはない」と思ったからです。
いくらガソリンスタンドが斜陽産業だとしましても、当分の間はまだガソリンはあちこちで使われ続けます。
即座に需要が無くなるなんていうことは絶対にありません。
なので取得しておいて損はありません。
但し、先に述べた理由も、全くの嘘ではありません。
消火方法くらいは知っておいた方がいい、というのは本音です。
どんな試験?勉強法は?合格基準は?申し込み方法は?
試験は筆記試験のみで実技試験はありません。
また、受験資格もありません。
学歴、実務経験などは一切不問です。
合格基準は、3科目でそれぞれ60%以上の正解で合格となります。
なので1科目でも60%を下回りますと、他がどんなにできていても不合格となってしまいます。
合格率は30%と若干低めではありますが、これは数字のトリックです。
といいますのも、ガソリンや灯油を扱える資格でガソリンスタンド等には絶対必要なので社会的な需要が高く、受験する方が多いのです。
しかし中には「会社の命令で仕方なく受けにきた」「簡単と聞いて勉強ほとんどしないで受けにきた」というような人も多く、そうした人は何度も受験したりします。
その結果、数字の上での合格率は30%となっています。
なので、本来はしっかり勉強すれば誰でも合格できる資格です。
(当然のことですが、逆に勉強しなければどうやっても合格できません!)
私がオススメする勉強のやり方は、たったの2つ!
「問題集と予想模試をひたすら繰り返し勉強し、分からなかったところはテキストなどで確認して理解を深める」
「指定数量と性質・消化方法は暗記する」
これだけです。
この2つをひたすら繰り返せば、ほぼ一発で合格できます。
事実、私はこれを行ったことにより合格率が
法令:93% 基礎的な化学:80% 性質・消火:90%
とかなりのインフレした数字になりました。
なお、本試験はマークシート式なので、問題集や予想模試の段階でマークシートに慣れておくといいと思います。
私はコピー機を使って問題集の解答シートをコピーしまくり、それで何度も解いて勉強しました。
試験への申し込みは、一般財団法人消防試験研究センターのホームページで電子申請をして行うか、受験願書を提出して行います。
電子申請も増えてきましたが、まだ受験願書での提出が多いように感じられます。
受験願書は、一般財団法人消防試験研究センターの各都道府県支部や消防署で配布しています。
記入例も一緒に配布してもらえますので、記入例に従って記入して下さい。
不安な方は、受験願書を複数枚貰っておくといいでしょう。
受験願書は簡易書留で、消防試験研究センターの受験する都道府県の支部に送って下さい。
ルトくんが試験を受けたときのこと
本試験でのことも、お話ししたいと思います。
私が受験したときは、地元にある工業高校が試験会場になりました。
受験は午後から行われまして、来ている方はほとんどが男性でした。
高校生の受験者も多かったです。
机の上には鉛筆、シャーペン、消しゴム、受験票、時計だけを置きました。
試験が始まりますと、問題に目を通しながら「誤っているものを選べ」「正しいものを選べ」に注意しながら答えとなる数字にマークしていきます。
マークする場所を間違えると、とんでもないことになります。
試験の内容は「危険物に関する法令」「基礎的な物理、化学」「性質、消火」について問われます。
もちろん、2時間の制限時間もありますので、ゆっくりやっている余裕はありません。
試験が始まってから1時間後には、できた人から提出して途中退席が可能になります。
当然のことですが、カンニングを始めとする不正行為を行った場合、退場処分となるばかりか、次に受験することができなくなったりします!
くれぐれも気を付けてください!
しばらくしてから、合否通知書が届きます。
合格していた場合は、合否通知書と返信用の封筒を同封して消防試験研究センター宛てで送ります。
必ず、試験を受けた受験地を管轄している消防試験研究センター宛てに送って下さい。
そうしないと免状が発行されません。
そしてしばらくしてから免状が返信用封筒を使って届きます。
名前や顔写真に間違いがないかどうかは、必ず確認して下さい。
間違いが無ければ、晴れて免状を手にし、危険物取扱者の資格を手に入れたことを喜んでください。
きっと、格別な思いがするはずです。
興味とやる気がモリモリ湧いてきたそこのあなた!
まずは一般財団法人消防試験研究センターのホームページで、一番近い試験日を確認して下さい!
そして書店へ行き、自分に合った危険物取扱者のテキストと問題集を買って勉強してください。
もちろん、消防署などへ行って願書を貰ってくるのも忘れずに!
ちゃんと勉強すれば、必ず合格できます!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!