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【骨髄提供】退院した日【第8段階】

入院してから4日目。

ついに退院する予定の日が、やってきてしまいました。

特に身体に異常は見受けられないため、医師が問題ないと判断しましたら、本日で退院となります。

長かったような病院生活も、今日でおしまいです。

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最後の採血と最後の朝食

朝に目を覚ましてしばらくしてから、検温と血圧測定、そして血液検査がありました。

まだ眠い目を擦りながら、看護師さんの指示に従って検温と血圧測定、血液検査を受けます。

看護師さんから「お身体の調子はいかがですか?」と聞かれたので「まだ腰に痛みがあります」と伝えましたら、痛み止めの薬を出していただけることになりました。

ありがたいことです。

今のところ、我慢できる痛みではありますが、安心はできません。

いつ激痛に変化して襲ってくるのかは分からないため、用心しておくに越したことはありません。

そして朝食が運ばれてきました。

病院の病室で食べる、最後の朝食となります。

最後の朝食のメニューは、このようになっていました。

最後の最後まで、牛乳とのお付き合いになりました。

コーディネーターさんとの別れ

朝食を終えてしばらくしてから、担当医の先生がやってきました。

担当医の先生がやってきて、血液検査の結果を渡してから、術後検診の日程を教えてもらいました。

どうやら問題なく、退院ができるようです。

先生「後ほど、看護師が腰のバンソウコウを貼り替えに来るので、しばらく待っててね~」

ルト「わかりました~」

そして担当医の先生が去ってから少ししてから、コーディネーターさんが病室を訪ねてきました。

看護師さんが来るかと思っていましたので、これは意外な訪問者でした。

コーディネーターさんは看護師さんと同じように、私の身体に異常が無いかどうかを伺い、わたしはそれに対して返答をしました。

コーディネーターさんからはその後、今後のことを話してもらいました。

今後は交通費の支給申請、職場に提出する書類と役所に提出する書類の準備、週に1回ほど電話で体調を伺うことなどがあります。

そして退院時にはどこの窓口に向かい、どの書類を提出すればいいのかを、親切に説明していただきました。

何から何まで、気にかけてくれて本当にありがたかったです。

しかしなんと、ここで衝撃的な事実が告げられました!

「今後大きな問題が無ければ、こうして直接お会いするのは、これが最後になります」

コーディネーターさんは、そう告げました。

……え?

ちょっと待って。

直接会えるのが、これで最後?

耳を疑いました。

いつかは別れる時が来るだろうと思ってはいましたが、まさかこんなに早いなんて。

正直、まだまだ会う機会がそれなりにあると思っていたので、寝耳に水でした。

途端に寂しさがこみ上げてきます。

しかし、どうすることもできないことです。

コーディネーターさんから「ルトさんは模範的なドナーさんで、手のかからない方でした」と云われました。

なにっ!?

手がかかるドナーもいるということなのかっ!?

手のかかるドナーという奴が、どんな奴なのか見てみたくなりました。

ものすごく尊大な野郎なんでしょうか!?

私はいたって普通に過ごしていただけなのですが、それだけで「模範的なドナー」との評価をいただくとは思ってもみませんでした。

病室を去っていくコーディネーターさんに感謝の気持ちを込めながら、見送ることしか私にできることはありませんでした。

退院

コーディネーターさんが去ってからしばらくの間、私は病室で待機していました。

担当医の先生から「後ほど看護師さんがバンソウコウを貼り替えに来る」と聞いていたためです。

いつやってくるのか、さっぱり分からなかったので、私は病室でテレビを見たりして時間をつぶしていました。

しかし、いつになってもやってきませんでした。

10時近くになった頃。

ついに私はしびれを切らして、立ち上がりました。

「ここまで待っていても来ないのなら、こちらから出向くしかないか!」

そう思った矢先、看護婦さんがやってきました(笑

どこかで見張っていたのではないかと、思ってしまいました。

無事にバンソウコウの貼り替えも終わって、後は荷物をまとめて退院するための準備を整えることになります。

「荷物をまとめ終わったら、ナースコールで知らせてくださいね」

看護師さんはそう云って、病室を去っていきます。

本来は緊急用のナースコールをそんなことに使っていいのかと思いつつも、いちいち呼びに行くのも面倒だと思ったので、そうすることにしました。

衣服を着替え、持ってきたものを2つのカバンに詰め込んでいきます。

もちろん冷蔵庫の中に入れていたものや、パソコンなどもちゃんと持ち帰ります。

荷物を全て詰め終えてから、一度部屋の隅々まで確認します。

忘れ物が無いことを確認しますと、ナースコールで看護師さんを呼びました。

すぐに看護師さんが来て、一緒になってもう一度、忘れ物が無いか確認していきます。

そして確認が終わりますと、看護師さんから書類を渡されました。

「これを、入院したときに最初に行った窓口に持っていってください。提出が終わりましたら、後はそのまま帰っていただいて大丈夫ですよ」

それでいいのかと疑問でしたが、どうやら大丈夫なようです。

看護師さんにお礼を云って、病棟から受付へと荷物を持って移動します。

そして入院する時に最初に行った入院受付で、看護師さんから貰った書類を提出します。

事務員さんがすぐに書類を確認してくれました。

確認が終わりますと「お疲れ様でした。このままお帰り頂いて大丈夫です。どうぞお大事になさってください」と云われました。

本当に、これでもう帰っていいんだ。

あまり実感がありませんでしたが、これで退院手続きが完了しました。

こうして無事に、退院できました。

退院時に、記念に1枚パシャリと撮影。

帰る途中

病院内でテレビカードの精算を済ませてから、電車で実家へと向かいます。

正直、退院したくはありませんでした。

「明日から、また仕事が始まるのか……」

そう思うと、病院の敷地内だけしかうろつけない生活でしたが、もう少しだけ入院生活を続けたいと思えて来ました。

映画「ナースのお仕事」のラストシーンで、ウドちゃんことウド鈴木さんが演じる立てこもり犯が「入院したかった」という動機を語っていました。

当時は面白い動機だとゲラゲラ笑いながら見ていましたが、今になってその動機が理解できました。

毎日3食、美味しい食事が食べられて、働かなくてもいい入院生活。

健常者だから言えることなのかもしれませんが、まさに天国でした!!

(もちろん、病気やケガで入院している人にとっては、そんなことは無いと思っています)

そんなクダラナイことを考えつつ、帰宅しました。

こうして、骨髄提供のための入院が無事に終了しました。

この後は、あと1回だけ病院に術後健診に行くことになります。

術後健診は、手術の後に身体に異常が発生していないかどうかを確認するための、とても重要な健診になります。

再度入院することはありませんが、また病院に行くことになります。

とりあえず、無事に皆様のおかげで退院できたことを、感謝申し上げます。

本当に、ありがとうございました!!

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

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